ジャパンカップの過去の戦績では日本馬が20勝に対し、外国馬は14勝。最後に外国馬が優勝したのは10年前のアルカセットです。開設後しばらくは外国馬に食い散らかされていた印象の当レースでしたが、今では反対に外国馬の勝てないレースとして、遠路はるばる著名な馬がやってくることの少ないレースとなった印象があります。世界的に見ても高額な優勝賞金3億円を用意しながらも、世界の名馬に断られてしまう背景には様々な理由があるかもしれませんが、やはり遠い島国への大変な輸送のわりには勝率がついてこないことによるものが大きいでしょう。
あとは、ジャパンカップの2週間後には世界的に見るとご近所にあたる香港でより魅力的な国際レースが同日に4レースも開催される香港国際競走が開催されるようになったというのも一つ一因としてあるかもしれません。
今年もフリントシャーがジャパンカップに参戦する可能性もあったものの、結局は香港へ出走することが決定しました。みすみす外国馬に勝たれてしまうのも悔しいですが、そもそも強い外国馬が来てくれなくなってしまえば、せっかく日本一のレースとして、国際招待競走を設定している意味がなくなってしまいます。なんとかバランスよく公平に外国馬が参戦したいと思える競争になってほしいものです。
さて、今年エントリーされている外国馬は4頭いますので、こちらのご紹介をいたしましょう。
イトウ(独・牡4)
10戦6勝の戦績でドイツ・バイエルン大賞(GⅠ)を優勝。非常に日本に馴染みやすい名前が印象的です。母Iotaもイオタ、五百田と書くことができますし、もしかしたら日本にゆかりのある馬主さん関係なのかも?バイエルン大賞は芝2,400mなのでジャパンカップとの距離適性はバッチリ。
イラプト(仏・牡3)
デビューから4連勝でパリ大賞(GⅠ)を制した有望株です。凱旋門賞では7番人気と若干下火ながら5着と人気よりは健闘しました。デビュー戦2,200m以外はずっと2,400mで使われているスペシャリスト。
トリップトゥパリス(愛・セ4)
前2頭に比べ戦績は泥にまみれている印象の20戦6勝[6-3-1-10]
2,400mの経験も豊富ですが、成績を出しているのはもっと長い距離が多く、典型的なステイヤーです。優勝したG1もアスコットゴールドカップで、4,000mのレースです。2,400mでも勝てないわけではないですが、やはりまだトリップトゥパリスにとっては距離が短いのではないでしょうか。
ナイトフラワー(愛・牝3)
招待馬の中で今回紅一点となるナイトフラワーです。戦績は8戦2勝ですが2着の回数も多く、連対率で言えば87.5%の好成績。優勝したオイロパ賞の出走条件は3歳以上、ということで牡馬牝馬混合、古馬も含めのレースを勝った3歳牝馬ということで、実力は十分。日本での不利を考えても安定感から紐に組み込むのも面白い馬券となりそう。
まとめ
以上4頭、イトウ、イラプト、トリップトゥパリス、ナイトフラワーのご紹介でした。トリップトゥパリスは若干色物臭がありますが、他は正統派。十分に馬券に絡む可能性を感じる戦績を持っている、さすが招待馬という感じです。本番当日までにどう整えてくるか、楽しみにしたいです。